2023年紅白歌合戦で、CGを使った演出にて『スキスキ星人』を披露した「すとぷり」
若い世代を中心に支持を集めてきたグループですが、そのメンバーの中でも一二を争う人気のメンバー「莉犬」さんをご存じでしょうか?
「すとぷり」としての活動だけではなく、声優として活動している莉犬さん。
![Mayu](https://i0.wp.com/mayu-roro.com/wp-content/uploads/2024/03/似顔絵-1.png?w=1256)
実は壮絶な過去を持っていたことをご存じでしたでしょうか?
元気で明るい莉犬さんからは想像できないほど辛い幼少期を過ごしてきたことや亡き友人のために声優になろうと決めたことなど
ここでは莉犬さんの声優活動や壮絶な過去についてまとめさせていただきましたので、ご覧ください。
・莉犬の声優「こいぬ」としての活動
・莉犬の壮絶な過去について
【すとぷり】莉犬のwikiプロフィール経歴
まずは、莉犬さんのプロフィールをご紹介させていただきます。
活動名:莉犬(りいぬ)
年齢:25歳(2024年3月時点)
血液型:B型
誕生日:1998年5月24日
出身地:東京都
身長:149.8cm
メンバーカラー:赤
好きなもの:オムライス
苦手なもの:グリーンピース
職業:歌い手、声優
youtube登録者数:
162万人(2024年3月時点)
莉犬さんのキャラクターイラストは、その名の通り、犬の耳と尻尾がついた男の子の姿をしています。
そんなキュートなキャラクターの見た目にぴったりな可愛い高めの声で、「すとぷり」メンバー達からも可愛がられる弟的存在の莉犬さん。
ライブで莉犬さん本人を見たファンの方からは『実物の方が何倍もかっこいい!』と言われるほどのルックスの持ち主でもあります。
またそれだけではなく実力も兼ね備えており、歌唱力は「すとぷり」メンバーの中でも随一と言われ、その表現力は他と一線を画しています。
そんな莉犬さんの感情がこもった歌に心打たれれる方も多いと思います。
バラードからポップな曲までジャンルを問わず、どんな曲でもお手のもの。
そんな莉犬さんの抜群の歌唱力や表現力は、どのように培われてきたのでしょうか。
聴く人の心を揺さぶる歌を唄う、莉犬さんの根底にあるものとは…
ここでは、莉犬さんの「すとぷり」以外での活動、その素顔や生き方に迫ってみたいと思います。
【すとぷり】莉犬の「こいぬ」としての声優活動について
莉犬さんが声優として活動されていたことをご存じの方もいらっしゃると思います。
現在、莉犬さんの公式youtubeチャンネルでも「りけんくんアニメ」は大変人気コンテンツで、
そのアニメ内では、莉犬さんが全ての登場キャラクターの声を一人で演じ分けています。
その演技力は素晴らしく、一人八役をこなしている上に、早口のセリフも聞き取りやすいため違和感がありません。
このyoutubeチャンネルでのアニメの配信だけではなく、莉犬さんは「こいぬ」という芸名で声優をされてました。
莉犬さんが「こいぬ」名義で声優を務めたアニメ作品はこちらになります。
2017年
『いつだって僕らの距離は10センチだった』
役:芹沢春輝〈幼少期〉
2018年
『走り続けてよかったって。』
役:具志堅栞
2018年 ~2021年
『キラッとプリ☆チャン』
役:萌黄春太
上記の作品まで「こいぬ」としての活動をしていましたが、その後名義を「莉犬」として声優活動を行われています。
2020年 ~ 2021年
『妖怪学園Y~Nとの遭遇~』
役:蛇山チアキ(スカイスネーカー)
2023年
『カードファイト!! ヴァンガード overDress』
役:阿賀井レノ
『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』
役:嘘発見器
『劇場版Re:STARS未来へつなぐ2つのきらぼし』
役:星空エイタ(主役)
2024年
『キッチン戦隊クックルン』
役:莉犬
莉犬さんが「こいぬ」名義で声優を務めた『いつだって僕らの恋は10センチだった』では、主人公「芹沢春輝」の幼少期を演じています。
このアニメの原作と音楽を創作したのは、2022年リリース『可愛くてごめん』がBillboard JAPAN TikTokチャート6週連続1位を獲得したクリエイターユニット「HoneyWorks」です。
莉犬さんは『いつだって僕らの恋は10センチだった』の挿入歌「聞こえますか」で
芹沢春樹役として歌声も披露しています。
2018年「すとぷり」はHoneyWorksとライブでコラボをしたり、その後楽曲提供を受けたりしています。
もしかすると莉犬さんのアニメ出演を機にコラボ等が企画されるようになったのかもしれませんね。
「すとぷり」と「HoneyWorks」コラボライブが行われた同じ年に発表されたアニメ『走り続けてよかったって』にも声優「こいぬ」として出演。
こちらのアニメも、原作と楽曲をHoneyWorks が制作しています。
前作では、幼い少年の声を担当されていた莉犬さんですが、こちらでは打って変わって18歳の女性役の声優を務めています。
こちらでは声をがらりと変え、女の子らしい声で女性の役を熱演。
そして『キラッとプリ☆チャン』では主人公の弟役を演じています。
女性役の演技もとても素敵ですが、個人的には、可愛く生意気な感じの少年役が莉犬さんの声質に合っているなとも思いました。
このアニメ以降は名義を「莉犬」とし、2023年には『劇場版Re:STARS未来へつなぐ2つのきらぼし』の主役に抜擢されるなど、
「すとぷり」の莉犬としてのみならず、声優莉犬としても大活躍されています。
このような、素晴らしい才能をお持ちの莉犬さんですが、その生い立ちはあまりにも悲惨なものでした。
莉犬さんが公式youtubeチャンネル内で語られているお話や、自身の生い立ちを作詞した楽曲『Since1998』等をもとにご紹介させていただきます。
莉犬の壮絶な過去(生い立ち)
「生まれてこなければよかったのに」 言われたのは これで何回目?
【MV】Since 1998./莉犬【オリジナル曲】 (youtube.com)
こんな文言から始まる莉犬さんのオリジナル曲『Since1998.』
これは、誰から誰に向けられた言葉なのか明言されてはいませんが、
この楽曲のMV映像には莉犬さんの母親と思しき人物が
幼い莉犬さんに向け言葉を発しているような描写があります。
こんな悲しい言葉を何度も聞かされるというのは、普通の家庭ではあり得ないことではないでしょうか。
莉犬さんの家庭環境は一体どのようなものだったのでしょう。
次はそのことについてご紹介いたします。
【すとぷり】莉犬の壮絶な過去(生い立ち)①家族の中での孤立
莉犬さんは公式youtubeチャンネルに投稿した「生まれてから」という動画で、自身がどのような状況で生きてきたのか赤裸々に語っています。
その中でまず家族について語っていた内容をまとめますとこのようになっております。
・父親が多額の借金を抱えていた
・母親はうつ病だった
・兄は手のかかる人だった
・家族で喧嘩が絶えなかった
・家族の中で自分は居場所がなかった
莉犬さんの実家は父親が作った多額の借金ため不安定な生活を強いられていたそうです。
・夜逃げ
・家賃の滞納による退去
・引っ越しを何度も繰り返す
お母様も精神的に不安定な方でうつ病を発症していました。
そして莉犬さんには兄がいるのですが、この方が家族の中でもトラブルメーカーとなっており兄を中心としたことで家族の間には諍いが絶えなかったのだそうです。
・母親が借金までして塾に通わせる
・しかし塾には行かずにゲーセンで遊んでいた
・兄の受験期に家族の仲が最悪に
そんな家庭環境の中自分だけはなんとかいい子でいようと努力していた莉犬さん。
しかし、精神的にも不安定だったお母様はそんな手のかからない莉犬さんよりもどうしようもなく手のかかる兄をかばうように莉犬さんにこのような一言を投げつけます。
「あなたとお兄ちゃんが同時に死にそうになっていたら、お兄ちゃんを助ける」
莉犬YouTubeチャンネルより引用
このような状況は、幼い莉犬さんにとって計り知れない精神的苦痛があったのではないかと思います。
そのような状況の中でも
兄の受験期に最悪となってしまった家族仲を幼い莉犬さんがどうにか喧嘩にならないようにと
![莉犬](https://i0.wp.com/mayu-roro.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?w=1256)
落ち着いて話そうよ!
と言っても、両親からは
![両親](https://i0.wp.com/www.hiraken-9139.fun/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png?w=1256)
お前は口出ししてくるな!
と、一掃されてしまいます。
自身の意見を言うことで否定され怒られてしまうため、
莉犬さんは次第に誰かに自分の思っていることを話したり相談したりすることができない子になっていきました。
【すとぷり】莉犬の壮絶な過去(生い立ち)②心の支えとなる友人との出会い
このような複雑な環境で小学生になった莉犬さんは、自身の性別について、このような違和感を抱えた生活を送ります。
・遊び相手は男の子
・「女らしくしろ」と言われる
・女の子からのけ者にされる
小学校高学年になった頃には「男女(おとこおんな)」や「気持ち悪い」など悪口を言われて心を痛めます。
しかし、そんな家庭でも学校でも辛い思いをしていた莉犬さんに転機が訪れます。
それは、他校に通う同じように辛い環境で過ごしている、二人の友人との出会いでした。
莉犬さんが小学5年生、二人は中学生の頃のことです。
誰にも相談のできなかった莉犬さんが、初めて家庭環境や自分の思う違和感などについて相談でき、お互いに愚痴を言い合うことができたことで
![莉犬](https://i0.wp.com/mayu-roro.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?w=1256)
俺は一人じゃなかったんだ!
と思えたのです。
自分と同じ恵まれない家庭環境にいる人が他にもいるということを知り、そして励まし合えたことに、莉犬さんは喜びを感じます。
しかし、その二人の友人は病気を抱えていました。
一人は白血病、もう一人は癌でした。
莉犬さんは理解し認めてくれる仲間を見つけましたが、すぐに別れが訪れてしまいます。
白血病を患っていた友人は、治療で髪が抜けてしまい
「可愛くないでしょ」と聞かれた莉犬さんは
「そんなことないよ」としか言えませんでした。
傷つくことを言ってしまうと病気が悪くなってしまうのではないかととても心配だったのです。
「病気で亡くなるのは嫌だから自分で命を絶ちたい」
「生まれてから、」 (youtube.com)
と、話されたとき何と言えばよいか、莉犬さんには分かりませんでした。
この状況で「生きて」と言うのも残酷だと感じました。
それは未遂に終わり、その後友人は回復し退院もできたそう。
しかし、せっかく回復できる未来があったのに、あれが未遂で済まなかったら?
そう思うと引き留める言葉をかけられなかった自分を許せず、莉犬さんからは連絡ができなくなってしまいます。
また、癌を患っていた友人は、莉犬さんが中学に上がった頃に亡くなってしまいます。
その友人は生前に、こんなことを莉犬さんに頼みます。
『自分は病気でもう夢を叶えられないから、代わりに声優になって欲しい』
「生まれてから、」 (youtube.com)
莉犬さんは、その子が託してくれた夢だから、何が何でも声優になると決意し、演技の勉強をするために演劇部に入部することを決めます。
【すとぷり】莉犬の壮絶な過去(生い立ち)③初めての恋と「歌い手」の世界
心の支えだった相談できる友人を失ってしまった莉犬さん。
中学校では、小学生の頃のような嫌がらせを受けないように、このように過ごしました。
・普通の女の子のように振舞う
・誰にも相談はしない
誰にも迷惑をかけたくないと、家庭でも学校でも苦しい思いを伝えることができず一人で抱えていた莉犬さん。
そんな日々の中で、小さな光を見つけます。
初めて好きな人ができたのです。莉犬さんの初恋の人はこのような方でした。
・女の先輩
・演劇部(演技が上手い)
・可愛くてスタイルも良い
・運動神経抜群
・ダンスが苦手
・ガサツだけどかわいい
当時、普通の女の子として生きようと努力していたのに、女の先輩に恋をしてしまったということは、莉犬さんにとっては大事件でした。
それでも先輩が挨拶をしてくれたりする毎日に幸せを感じるようになります。
その先輩がニコニコ動画の歌い手が好きと言っているのを聞いた莉犬さんは、とっさに
![莉犬](https://i0.wp.com/mayu-roro.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?w=1256)
俺も歌い手好きですよ!
と、言ってしまいます。
当時、莉犬さんは「歌い手」の存在をほとんど知らなかったのですが、
先輩とおしゃべりしたい一心で何とか話を合わせました。
この会話の後家に帰って「歌い手」についての猛勉強が始まります。
ニコニコ動画内の大勢の「歌い手」について調べていると、大好きな先輩の声と似た人を見つけます。
気になって見てみると、その人は女の人なのに、女性ファンが沢山いることを知ります。
これまで莉犬さんな中にあった
・男の子は可愛い女の子が好き
・女の子はイケメンが好き
このようなイメージが覆されます。
莉犬さんの見た歌い手の世界にはこのような方がたくさんいました。
・低い歌声が素敵な女性のファン
・高い歌声が可愛い男性のファン
・男性が男性を熱烈に応援
・女性が女性に夢中
・低い声も高い声も出せる人
性別など関係なく好きなものを好きと言えて大事にできる、莉犬さんにとって夢のような世界がそこには広がっていました。
初恋の先輩が好きだった「歌い手」の世界が、いつしか莉犬さんの好きなものとなり、心の拠り所となっていったのです。
この共通の趣味について大好きな先輩と話すこと、そして亡き友達の夢を代わりに叶えることを生きる意味として、莉犬さんは中学校生活を過ごしました。
【すとぷり】莉犬の壮絶な過去(生い立ち)⑤閉ざされる声優の道と自分へのSOS
声優の夢を追いかけるため、スタジオ見学や実際に声優として活動している方に話を聞くなどしたことで、莉犬さんはそれがどんなに大変な職業なのかということを知ります。
声優の仕事だけで生きている人はほんの一握り、お母様からは
「お前には絶対に無理だ」
「あきらめろ」
と言われてしまうのです。
お金がなく声優の専門学校にも通えない莉犬さんにレッスンを受けさせてくれる人がいたのですが、お母様の猛反対を受け、辞退を申し出ることになってしまいます。
そしてその人からは
「誰かが君に優しくされたなら、君がその人にされたように誰かに優しくしてあげなさい。僕はそれだけで十分だから。」
「生まれてから、」 - YouTube
という言葉をもらいます。
莉犬さんはこの言葉を胸に、優しい人間でいよう、真っ直ぐ生きていこうと決意します。
![莉犬](https://i0.wp.com/mayu-roro.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?w=1256)
優しく真っ直ぐに生きていくんだ!
そんな莉犬さんの思いとは裏腹にお母様の病状は悪化の一途を辿り、目を離すと自ら命を絶とうとするなど大変な状況になっていきます。
莉犬さんがお母様の持っている包丁を取り上げ薬を飲ませて寝かせてあげたり、夜中に飛び出していったお母様を探し回ったり…。
そんな毎日に、莉犬さん自身も生きることに疲れ果ててしまいます。
悲し苦しい、誰にも相談できない胸の内を、莉犬さんは大人になった自分へ向けた手紙としてしたためます。
『拝啓15年後の僕へ 誰にも言えないワガママ 「助けて下さい」』
【MV】Since 1998./莉犬【オリジナル曲】 (youtube.com)
これは、莉犬さんの楽曲『Since19981.』の一節です。こんな届かないSOSを未来の自分に向け書き続けます。
こうすることで、どうにか心の安穏をはかろうとしていたのかもしれません。
誰にも打ち明けられない思いを書き連ねた手紙は何十通にも上りました。
【すとぷり】莉犬の壮絶な過去(生い立ち)④日本一を目指した演劇部での辛い経験
このような大変な状況の中、高校に進学し、高校でも演劇部に所属した莉犬さん。
高校の演劇には、全国大会というものがあり、莉犬さんは何としても全国一位になろうと奮闘します。
家庭のことは大変でしたが、演劇が大好きで唯一打ち込めることがそれだったのです。
自分が書いた台本と自分が考えたや演出で日本一になるんだと情熱を燃やす莉犬さん。
高校2年生、部活に打ち込める最後の夏のことです。
部長だった莉犬さんはこのような台本を考えます
・吉田松陰がテーマ
・夢に向かいがむしゃらに生きる物語
・夢に向って頑張る人に届けたい
吉田松陰の名言
「諸君狂いたまえ」
(意味)常識や固定概念にとらわれず
自分が正しいと思うことを
突き通し真っ直ぐ生きていけ
こんな吉田松陰の名言になぞらえ、この劇を誰かの背中を押せる作品にしたいと何十冊も台本を書き上げた莉犬さんですが、
演劇部顧問の先生に、その台本はことごとく却下されてしまいます。
まさに、莉犬さんの苦しみ悩みながらも真っ直ぐ生き抜いてきた物語のようで、莉犬さんの魂のこもった作品だったと思いますが、
顧問の先生からは、
![演劇部顧問](https://i0.wp.com/www.hiraken-9139.fun/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-woman.png?w=1256)
女の子は男の子の役はできないのよ
ということまで言われてしまいます。
何とか顧問の先生に許されるような台本に書き換え再スタートしようとするも、
途中で、先生が考えた台本、先生の考えた演出、先生が決めた題名の劇へと一挙に変更されてしまいます。
莉犬さんは、部長、主演を務めていたのですが、この出来事により思い悩み部活を辞めざるを得なくなります。
こうして、莉犬さんは劇を通して伝えたかったことも伝えられないまま、演劇生活を終えることになります。
莉犬さんは自身の無力感に打ちひしがれ長い間苦しむのですが、
部活がなくなり空いてしまった時間を使って「歌い手」活動を開始したことで少しずつ前を向いて歩きだします。
この時のことを莉犬さんは
![莉犬](https://i0.wp.com/mayu-roro.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?w=1256)
誰かに見つけてほしかったんだ
と語っています。
初めて「歌ってみた」を撮ったのは、父親の古いパソコンと1000円のマイクでした。
そしてプロフィールの性別は女の子として、歌い手の活動を始めます。
当時は自分のことを
「女の子が好きな女の子」
「男の子っぽい女の子」
と思おうとしていたことや
性的マイノリティーに現在ほど寛容な世の中ではなかったため、自分が性同一性障害だと気づかれることを恐れていたのだそうです。
はじめは「男の子みたい」というコメントに喜びを感じるも、その言葉の奥には「男の子みたいな女の子」という意味があることに気づき、
「女」として見られているということに強い嫌悪感を抱くようになっていきます。
2016年「すとぷり」を結成した時も性別については非公表としていました。
【すとぷり】莉犬の壮絶な過去(生い立ち)⑥絶望の先で出会った唯一無二の仲間
「莉犬くん、夢はある?」
「生まれてから、」 - YouTube
莉犬さんはお金がなく大学に行けなくなったことを「すとぷり」リーダーの「ななもり。」さんに相談した際、こんな風に問いかけられます。
莉犬さんは悩んだ末にこう答えます。
「誰かに認められたい」
「生きてていいんだって思いたい」
その莉犬さんの言葉に「ななもり。」さんは、
![ななもり。](https://i0.wp.com/mayu-roro.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?w=1256)
じゃあ一緒にがんばろう。
多くの人に認めてもらうんだ。
不安に思うことなんて何もない。
と言ってくれたのだそう。
そして、莉犬さんは「すとぷり」としての活動を頑張ると心に決め、
自分のための人生を歩みだすのです。
この一歩を踏み出したことで、莉犬さんは自分自身について考え直せる心の余裕ができます。
ここから自分の新しい人生を始めようと、前へ進み出した莉犬さん。
ずっと悩んできた性同一性障害についても診断書をもらい、相当な覚悟の末に公表することを決めました。
それに対しての反応は様々で、受け入れてくれる人もいれば離れていく人もいて、中には暴言を吐いてくる人もいたそうです。
しかし、ある握手会において
「莉犬くんと同じで体は女だけど心は男で、ずっと悩んできたけど、莉犬くんの動画で勇気づけられて親に話すことができ理解してもらうこともできた。今は通院もして学校もズボンで通えているんだ。」
と話してくれたファンがいて、
このことを莉犬さんは自分のことのように嬉しく思ったそうです。
その他にもたくさんの人から勇気をもらったという言葉を受け、
自分が悩んでいる子たちの力になれたことが本当に嬉しく、活動をして良かったと心から思えたそうです。
莉犬さんの楽曲『Since1998.』MVには、明るい曲調からは想像できないほど悲しく衝撃的な描写も多くあります。
しかし、「ななもり。」さんやすとぷりメンバーとの出会いのシーンから、莉犬さんは自分らしく前を向く描写があり
”ショーガイ”抱える生涯?障害は越えてくもんだろ
【MV】Since 1998./莉犬【オリジナル曲】 (youtube.com)
と、ロックな曲調にのせ力強く歌います。
この、「ななもり。」さん率いる「すとぷり」との出会いは莉犬さんにとって大きな転機となったのです。
【すとぷり】莉犬の壮絶な過去(生い立ち)⑦誹謗中傷と性別適合手術
性同一性障害を公表後、莉犬さんは家族には内緒で乳房切除手術を受けようとします。
19歳にして自分で多額のお金を貯めて準備をしていたのですが、性同一性障害の診断書や手術に関する書類が見つかってしまい、問い詰められてしまいます。
お母様から
「勘違いかもしれない」
「30、40歳になるまで待って」
「娘として生きてほしい」
このようなことを言われてしまいます。
これまで、自分の希望は押し殺して、家族のためお母様のために奔走してきた莉犬さん。
やっと自分に目を向ける余裕ができたのに、この先まだ10年も20年も我慢を強いられる人生を送らなければならないのでしょうか。
お父様やお兄さんも、莉犬さんの強い思いを感じ、お母様を説得しようとしてくれます。
このままだと生まれてきたことを
「生まれてから、」 (youtube.com)
後悔してしまう。
どうせ生まれてきたのだから
自分に嘘をつかずに生きていきたい。
娘でいられなくてごめんなさい…
と莉犬さんは今まで言えなかった胸の内を明かします。
莉犬さんの必死の訴えにお母様も、「これ以上体をいじらない」という条件のもと、手術を受けることを許してくれます。
この後「すとぷり」としての活動や声優としての仕事で、莉犬さんは大活躍し、人気や知名度も上がり、ライブなども頻繁に行われて忙しい日々を送ることとなるのですが、
多くの人に見られるということによって、沢山の人気を得るだけではなく、
多くの誹謗中傷にもさらされるようになってしまいました。
「結局女でしょ」
「手術受けていないなら女なんだから男を名乗るな」
「本当に辛かったらホルモン注射とか打つ」
「男女の絡みにしか見えない」
「女が近づくな」
「身体は女だから」
「なんなら性同一性障害も嘘だろ」
「性同一性障害なら高い曲歌うな」
「男好きのただの女」
これ以上の聞くに堪えない暴言を浴び続けます。
性別適合手術は体にメスを入れることなので、それはもちろん体に負担があるということであるとともに、
術後ホルモン注射をしないと身体と心のバランスが崩れ、不調をきたすこともあります。
術後必要なホルモン注射をすると、男性ホルモンの影響により声変わりが起こる。「莉犬さんの声」を好きになってくれたファンのために、その声を守ろうとして、本当はしたかった手術を受けずに活動を続けてきた。
しかし、そのことが原因で心まで土足で踏みにじられるような言葉を毎日浴び続けなけれななりませんでした。
莉犬さんへのあまりにもひどい言葉に対し、ファンが反論すると
「莉犬のファンは民度が低い」と言われてしまい、ファンの皆まで傷つけられて馬鹿にされてしまう、
そのことがどうしても許せなくなってしまいます。
そういうコメントにはスルーが一番だとファンにも伝え、自分も頭では分かったつもりでいても
「すとぷり」としての活動を続けることはこのまま暴言も浴び続けていくということ…。
誹謗中傷に耐え兼ねた莉犬さんは次のことを自分の心の中で決めます。
・27歳までで「すとぷり」を辞める
・それまでの間だけ中傷に耐える
・辞めた後性別適合手術を受ける
しかし、そんな自分の中で期限を付けた活動の最中
不倫騒動により
リーダー「ななもり。」さんが活動休止となってしまいます。
「ななもり。」さんに頭を下げて謝罪された際に、
色々難しい問題は莉犬さんには分かりませんでしたが、
莉犬さんの辛い時に救ってくれた人が「ななもり。」さんだったことに変わりはないし、今が恩を返す時だと感じます。
そして何とか5人で頑張ろうとした矢先のこと、
今度はジェルさんが精神的な病による体調不良により活動休止してしまいます。
ジェルさんが苦しんできた姿をずっと傍で見てきた莉犬さん。
ジェルさんの帰ってこられる場所を守りたい、
また、ななもり。さんやジェルさんのファンの子たちの居場所も守り支えたいと、期限付きの活動を考直し「すとぷり」の活動を続けていくことを決意します。
この決断をした中で、莉犬さんはこの先ずっと手術を受けたり、戸籍を変更したりできないのだろうかと考えるようになります。
やはり性別適合手術を受けたい気持ちと、術後のホルモン注射により声変わりしてしまうことで
ファンの子たちが好きになってくれた「莉犬の声」を守れないのではないかと葛藤し、様々な病院で相談したそうです。
しかし、このような回答が返ってきます。
術後ホルモン注射をしない人はいない
(理由)
心と体のバランスを崩すため
全ての病院で反対されますが、莉犬さんは、2022年性別適合手術を受けます。
「莉犬の声」も「自分の気持ち」も守るとのことなので、
ホルモン注射はされていないのだと思われます。
体の調子が悪くなるようであれば、ホルモン注射をするかもしれないとも言われています。
タイで行われた性別適合手術でしたが、
日本を発つ前々日に「すとぷり」メンバーと食事をし、莉犬さんを心配するメンバーたちから沢山の励ましの言葉を貰って旅立ちます。
胸の手術の際には、お母様から猛抗議を受けましたが、この手術のことを伝えた時は
「体調に気を付けるように」
と、すぐに受け入れられたそう。
飛行機に乗る直前、お母様から
「ちゃんと生んであげられなくてごめんね」
(19) 「生まれてから、」 - YouTube
と電話がありました。
莉犬さんは飛行機の中で帽子を深く被って泣いたそうです。
誰にも迷惑をかけたくないと、異国の地に一人でおもむき手術を受ける、それはどんなに怖いことだったでしょうか。
この時莉犬さんは遺書を持ち込み、手術前はそれを読んで心を落ち着かせたそうです。
術後は起き上がることや寝返りもできないほど全身の激痛を伴い、
鎮痛剤の点滴でほとんど意識のない状態で過ごしていたとのこと。
本当に壮絶な痛みを耐えられたのだと思います。
性別適合手術は実際には何でも叶えてくれる魔法のようなものではない、ということをこちらの動画で莉犬さんは語っておられます。
最初に手術についての詳しい話を聞いた時、莉犬さんは絶望してしまったそうです。
手術は魔法ではなく、限界があるもの、それを理解できないまま手術を受けてしまった人の中には自ら命を絶ってしまう人も少なくないのだそうです。
そして莉犬さんは、動画を見ている人たちにこう呼びかけています。
性別について悩んでいる人に「手術をすれば大丈夫」というようなことは言わないであげてほしい。そんなに簡単なことではないから。
「生まれてから、」 - YouTube
こうやって莉犬さんが包み隠すことなく自身の経験や思いを伝える姿は
悩みを抱える多くの方々の心の支えになるのとともに
この事実をよく知らない人への理解を広げることにも繋がるのではないかと感じました。
また、性同一性障害についてや戸籍上の性別を変更する際の必要条件を調べる中で、今の法律を改正する必要があるとも思いました。
性同一性障害の人の戸籍上の性別について定めた特例法では、生殖機能がないことや、変更後の性別に似た性器の外観を備えていることなど複数の要件を満たした場合に限って性別の変更を認めていて、事実上、手術が必要とされています。
性同一性障害 性別変更の手術要件 最高裁違憲判断 今後議論は | NHK | 憲法
手術を終え退院後も経過観察のためタイに滞在していた莉犬さんですが、一人の綺麗な女性に出会います。
簡単な英語でしか会話できない二人でしたが、その方はトランスジェンダーの女性ということが分かり、お互い手術を受けた者通しだと気づいた彼女は
![タイの女性](https://i0.wp.com/www.hiraken-9139.fun/wp-content/themes/cocoon-master/images/woman.png?w=1256)
We will be happy!!
「私たちはこれから幸せになるよ」と莉犬さんに伝えます。
それを聞いた莉犬さんは
「そうだ、俺は幸せになるためにここに来たんだよな」
と改めて思い涙が溢れます。
手術後もファンが愛した「莉犬の声」を守り音楽活動を行うとともに、亡き友人との約束「声優」としても活動。
こうして、「ななもり。」さんとジェルさんの帰る場所「すとぷり」を直向に守ってこられた莉犬さん。
2024年夏には、すとぷり初の劇場版アニメが放映されることが決定しています。
題名:
『はじまりの物語Strawberry School Festival!!!』
アニメーション制作:
ライデンフィルム
主演:
すとぷりの6人
公開:
2024年夏
アニメーション制作に携わるライデンフィルムはこれまで『東京リベンジャーズ』『るろうに剣⼼ -明治剣客浪漫譚-』等を手掛けている会社。
本格的なアニメーションを現在絶賛制作中だそうです。
莉犬さんの演技が光り輝く作品となりそうですね。
【すとぷり】莉犬についてwikiまとめ
ここまで、莉犬さんの声優としての活動や、
莉犬さんの公式youtubeチャンネルの動画等をもとに莉犬さんが明かしている過去の出来事について説明させていただきました。
このページの内容をまとめますと、下記のようになります。
2017年
『いつだって僕らの距離は10センチだった』役:芹沢春輝〈幼少期〉(こいぬ名義)
2018年
『走り続けてよかったって。』
役:具志堅栞(こいぬ名義)
2018年 ~2021年
『キラッとプリ☆チャン』
役:萌黄春太(こいぬ名義)
2020年 ~ 2021年
『妖怪学園Y~Nとの遭遇~』
役:蛇山チアキ(スカイスネーカー)
2023年
『カードファイト!! ヴァンガード overDress』
役:阿賀井レノ
『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』役:嘘発見器
『劇場版Re:STARS未来へつなぐ2つのきらぼし』役:星空エイタ(主役)
2024年
『キッチン戦隊クックルン』役:莉犬
1998年
・生物学上女性として生まれる
1998~2004年頃
・父が借金を抱え何度も転居
・母鬱病発症
2008年頃
・小学校でのけ者にされる
2009年頃
・相談できる友人に出会う
2011年頃~
・友人との死別、離別
・「声優」を志す
・中学入学 演劇部に所属
・女の先輩への初恋
・「歌い手」の世界と出会う
2013年頃
・声優の活動を知ろうとする
2014年頃
・高校入学演劇部入部
2015年頃
・顧問の理不尽さにより退部
2016年
・「歌い手」活動を開始
・大学進学断念
・「すとぷり」結成
2017年
・性同一性障害公表
・乳房切除手術を受ける
2022年
・性別適合手術公表
※年数は推定のものがあります。
莉犬さんは辛い家庭環境で生まれ育ち、悩みを抱えながら生きてきました。
「俺は人より耐える感情が強かっただけで悲しくないわけじゃない」
(19) 「生まれてから、」 - YouTube
と莉犬さんが言っているように、精神的に調子を崩したり自ら命を絶ってしまってもおかしくない状況に何度も立たされてきたと思います。
それでも自分がどんなに悲しい時も常に優しさを忘れず、何度も起き上がって歩こうとしています。
その芯の強さが、優しさがぶれることなく莉犬さんの中にあるからこそ、
悲しい状況を打破できる仲間と出会ったり、同じように優しさをくれる人と巡り合わせたりしたのではないでしょうか。
また、悲しみや苦しみを誰よりも感じてきた莉犬さんだからこそ、
傷ついた人たちの心に寄り添える力があるのだと思います。
莉犬さんのように、自分の心情や経験を語ることはとても勇気のいることです。
それでもこうして自分の声で言葉を紡ぐことは、
莉犬さんの
「嘘偽りのない自分でいたい」
「真っ直ぐに生きていきたい」という強い思い、
また、お母様からは貰えなかった「貴方が一番好き」だと言ってくれるファンに
ありのままの自分を愛してもらたい、
そして、幼い莉犬さんの届かなかったSOSも込められた
等身大のメッセージなのかもしれません。
莉犬さんの言葉に、勇気に、優しい心に救われた人は数多くいます。
是非、莉犬さんの声で語られた動画内容をご覧になってみて下さい。
壮絶な幼少期や思春期を経て、他の人より険しい道を歩んできた莉犬さんだからこそ、
できる素晴らしい表現や魂のこもった歌唱がそこにあるのだと思います。
家族を思い、友達を思い、「すとぷり」メンバーを思い、ファンを思い、自分が大変な状況でも、誰かのために頑張ってきた莉犬さん。
これからの莉犬さんの人生が幸せであふれるものとなることを願わずにはいられません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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